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投稿連句観覧車

2004年9月1日号(0409号)
無名連句同人発行(初版1999年6月1日)

since20020301

本号の選者は角蛙同人です ...〆きりは2004年8月25日21時でした
投句観覧車は本号が最終号となります
...引き続き...謹贈掲示板/Comment Box...での自由連句への御投句をお願い致します...

...本号は下から上へ詠まれております...

一の巻

挙句....きれいな花にとげもあったり..........040901
...四十路坂アップアップで越えにけり ..........040701
......村の外れのカタクリの園 ............040501
...気が付けば一人日暮る隠れ鬼.............040301
......悔しきことの多かりし夜............040101
...焼酎のあては一切れ薩摩漬け.............031101
......奈良に出かけたこんな暑い日..........030901 
...パステル画の中に棲みし我があり ...........030701
......満期近づく生命保険 ..............030501
...主人なき水槽のエビ冬を越す .............030301
......単身赴任を拒んでみたが ............030101
...ちちろ鳴く風呂の外にてにぎやかに............441


*040901句選者コメント『とげばっかりで花はなかったり。』<>角蛙

一の巻/040901の選外


......盛りては流るくろぼこの土
......ぬかるみ踏んで滑ってこけて
......台風一過万緑革む
......ikkuころんで一句詠みけり
......寄せてはかえる遠き日のこと
......湧いては消ゆる名こそ惜しけれ
...入選句......きれいな花にとげもあったり
......遊び疲れてふと花枕
......上司のタバコも仕事のうちかも
......巻雲走る竹青の空
......ミザールを観る梅雨明けの空
......文太兄貴の待つ家辺り
......今日の昼メシ冷やし中華だ
......七夕の午後図書館へ行く
......文鳥の待つ妹の家
......手招きをする家出した猫
......まだ見ぬ景色のゆかしかりけり
......ひとり高速道路に入りて
......バーを離れてチュチュもゆらいで
......オヤジもふらふらシルバーシート
......くるくる回るバレーリーナのごと
......学校さぼって昼寝せしこと
......あと振りむけば誰も居なくて
......言うに言われぬ臭き仲とや
......危うく事故を免れたとか




三の巻

挙句....真夏の夢はまだ覚めやらず...........040903
...手枕の手酌ですする卯酒かな .............040703
......破れかぶれじゃ雄猫の耳............040503
...大仏もアッと驚く冬花火...............040303
......泣いてるような顔文字に見え..........040103
...秋めいて気象予報士風邪を曵く............031103
......吹かれるままに素直に生きます.........030903
...前は海背に青六甲友眠る...............030703
......楽しみひとつ咲いている花 ...........030503
...年暮れて白河夜船除夜の鐘 ..............030303
......どのデパートも満員御礼 ............030103
...水不足プールで遊べぬ奈良県人 ..............443

*040903句選者コメント『卯酒に「夢覚めやらず」は付きすぎですが、どこまでが夢でどこからが酔いか判らないのもよい気分のものでしょう。』<>角蛙

三の巻/040903の選外句


......飲んだら書くまい 書くなら飲むまい
......絵文を読んでまた日が暮れて
......縁側に出て一人碁を打つ
......ライダー達の憩う海岸
......はらはらはらと涙にも似て
......美幌の石を一つ拾いて
......可愛い子猫こちらを見やる
......夜勤明けての火曜日の朝
......ソナタもコナタも梅雨明け宣言
......生姜青葱茗荷揉海苔
......大雷雲を夜とまごうまで
......七夕飾り明日は流して
......道頓堀に飛び込んでみて
......歯にひっつきし生の大阪
......朝風呂浴びて大の字になる
......移ろい易きアジサイの色
......十六夜待たぬ雲のはやさよ
......十三夜とて月も出でにけり
......放浪猫ものどを潤す
......花火は見えねど月は見えけり
......漂い来るラベンダーとか
......でっぷり猫が膝でもみもみ
......カナカナカナと矢沢シャバババ
......トマトパスタをツルリツルリン
......ただとひょうしに長き夢見む
......今日は三文投げてしもうた
......目頭抑えバスタブひたる
...入選句......真夏の夢はまだ覚めやらず


五の巻

...けなげにも咲いて屁糞と呼ばれけり............040905...最終句
......切るか切らぬか決めろと言うが ........ ..040705
...旅役者追うた妻から文ありて...............040505

......三日目にくる老いの冷や水.............040305
...文庫本一冊あればよし秋の旅...............040101
......寝覚めて顔に露の降りけり.............031105
...夏なかば離れし子らに思いはせ..............030905
......おあし無かりき一葉の札..............030705
...月灯り明日の天気を占いつ ................030505
......今宵はピザをとることになり ............030305
...里帰り話しは尽きず萩三分 ................030105
......酒屋通いの狸と出会う.................445 

*040905句選者コメント『植物の命名者というのは、かならずしも植物愛好者とは限
らないらしい。』<>角蛙

五の巻/040905の選外句


...気にするな人の噂も小半時
...卯の酒を飲む間も待たぬ夜明けかな
...薬籠に百草丸あり陀羅尼助もあり
入選句...... けなげにも咲いて屁糞と呼ばれけり
...来年は咲くや咲かずや姥桜
...夕凪や浜に出てくる家の猫
...夏空にこころの窓を開け放す
...デザートはアシュケナージでプレリュード
...朝寝してサウナの後は昼寝せん
...夜も更けてポストに何か入る音
...灯を消して窓辺で楽しむ雷ショー
...泣きながら蝉落ちて行く地の果てへ
...夏祭り金は天下の回り物
...うつむいてただうつむいて銭数え
...仰向けにただ仰向けに花火みる
...牽牛も角突き折れし時の河





七の巻

...たこ焼きにビールもいける新喜劇..........040907...最終句
......月に仇なす雲を掃かばや...........040707
...夜更かしの挙句の朝寝で日が暮れて..........040507

......ふと思い出の寮のヒーター ..........040307
...恐れてもいつか僕らも星になる...........040107
......青山通りの覆面パトカー...........031107
...夏日影汗ふく体身にしみる.............030907
......度重ねても元の木阿弥............030707
...愚かなる風雲急に神の苦難 .............030507
......携帯電話の電源を切る ............030307
...ハイキング天の香久山汗ふいて ...........030107
......閑居の身にも衣替えして.............447

*040907句選者コメント『身の内の雲を掃くにはこれに限る。』<>角蛙

七の巻/040907の選外句


...猫の墓土盛りに出る梅雨の朝
...クモの巣に五月雨かかる路地裏の
...特攻の散り落したる芝桜
...名にし負はばさぞ美味からん一太焼き
...世の乱れアロマセラピータンといる
...稲庭の冷やしうどんは固ゆでで
入選句......たこ焼きにビールもいける新喜劇
...熱帯夜はクーラーつけて冬のソナタ
...紫陽花のたわわに咲く道夜も更けて
... 梅雨の変止むときもあれば病むときも
...罪多き人と生まれて憂しき梅雨
...遠くより相見る月の朧かな
... 指先で立てば体が軽くなる
...夏の空蹴って風鈴鳴らす風
...三連休ほんにうれしや二度寝する
...鳴き枯れて微かに動く蝉のあし
...猫に手をとられてバスに乗り遅れ



九の巻

...改革をやると言いつつやらぬ奴............040909...最終句
......聞き覚えある猫の声して ............040709
...あばら家の朝寝の窓打つ春一番 ............040509
......箱根の山を駈け降りる夢.............040309
...二度漬けに罵声をあびて店を出て............040109
......あずま言葉の寂しかるらん............031109
...真夜中に目を覚ましたる老いた母............030909
......貼って間も無い祭りのポスター ......... 030709
...駅裏に傾きかけた理髪店 ................030509
......絵筆を置いて白衣を纏う .............030309
...満たされて今日一輪の花ひらく .............030109
......浴衣姿で金魚すくいて ................469


*040909句選者コメント『ネズミを捕らない猫ほどよく鳴くもの。』<>角蛙

九の巻/040909の選外句


...密やかに音たてたるや天の河
...残雪の下に広がる芝桜
...卯の花にむぐりて虫も忙しく
...風ぬける梅雨の谷間の木こり道
...岩風呂や蛙飛び込む雨の音
入選句......改革をやると言いつつやらぬ奴
...ルビ入れてツルリのどごし佳い感じ
...いつも会う子犬に曵かれて御老人
...肩寄せて淀屋橋から北新地
...派手なれど老母が編みし寝腹巻き
...夏きたる山並みのいろ深みまし
...君訪へば風に書きたる旅のさた
...地に落ちて掃き集めらるゝ油蝉
...噂聞く蒜山にあるガーデンで
...デザートを別腹にして肥ゆる夏
...長き日を待ちくたびれしサソリかな
...あの丘の赤い牧舎の思い出は
...鮒寿司の二切れ乗りたる茶漬けかな


...0403号より本号まで下から上へ詠まれます...

KinZo Comment『...投稿連句観覧車はネット上で連句を楽しむ方法を模索する目的で行われて参りましたが...謹贈掲示板(Comment_Box)での自由連句が軌道に乗りましたので...今号をもって公募連句観覧車発展的解消とさせて戴きます...引き続き謹贈掲示版での自由連句に御参入戴ければ幸甚と存じます...長い間の御投句と御観覧ありがとおございました...』<>20040902Osaka

この公募連句観覧車最終号0409号の〆切りは2004年8月25日21時でした

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