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観覧車 11之巻
2001年1月01日発句
2001年5月19日挙句
連衆:金象(大阪)角蛙(愛知)次の一句(福岡)

初春の陽に輝きて観覧車/発句/金象(以下象)  
   揺れて揺られて二千一年/02/角蛙(以下蛙)
糸切れてなお天高くやっこ凧/03/象  
   故郷の山故郷の川/04/蛙
わが宿は都離れて春の月/05/象  
   川面にうつす君の面影/06/次の一句(以下一句)
銀行の帰り財布を取り落とし/07/蛙  
   届けてくれた美しき人/08/象
菜の花を差し出す人の手の温み/09/一句  
   果ては知られぬ短夜の夢/10/蛙
うなされて起きた拍子に蚊を叩き/11/象
   しばし目を閉じ夢の続きを/12/一句
月に棲む駱駝砂漠を行くといふ/13/蛙
    秋深まりてモモシキを履く/14/象
中洲越えすすき野原のきたみなみ/15/一句
    DOCOMO AU JPhone TUKA/16/蛙
花よりも携帯電話真っ盛り/17/象
    ひばりは高くミールは落ちる/18/一句
果知れぬ景気停滞棚霞/19/蛙
    森は霞て小泉の涌く/20/象
ボタ餅もカスミも食らう組閣劇/21/一句   
    どこぞの陰にねずみのありて/22/蛙
米びつの底突くままに雪見酒/23/象
    一人ワルツに星影冴ゆる/24/一句
美酒を過ごし家路の千鳥足/25/蛙
   猫の呼び合う声を聞きつつ/26/象
恋や恋迷う心のカタルシス/27/一句
   ネットギャラリー Maze 困惑/28/蛙
開拓の日々遠のきて秋の月/29/象
   つち音止まず紅葉かつ散る/30/一句
朝寒きゲートボールのグラウンド/31/蛙
    古新聞の風に舞いおり/32/象
羽衣の見果てぬ夢を今もなお/33/一句
    かわゆきことは愚かなること/34/蛙
園児らの声静まりて木瓜の花/35/象
    めぐりめぐりて陽炎の燃ゆ/挙句/一句

解説 /当巻は 観覧車専用掲示板 上で巻かれました

観覧車第11之巻連衆雑感  

   曲がりなりにも、連句を連衆として巻き終わったのは今回が初めてでした/ この巻は角蛙兄と2人で暇つぶしに始めたものですが/ 今一つ、2人では緊張感に欠け/ もう一人参加してくれないかと角蛙兄と話していたところ/ 博多の次野一句氏が連衆に加わって来られて/ 一気に巻き上げることができました/  連句は音楽でいうとJAZZの演奏に近いノリで/ 語感を通じて連衆同士が句を付け合って行くという面白さを/ 味わうことができました/  今回、発句を務めさせて戴きましたが/ 緩急自在の角蛙兄のアドリブで強弱を付けつつ/ 挙句もピタリと一句兄が決められて/ まずは、めでたく一巻完結となったと思います/  ありがとうございました
                                      <金象>

観覧車第11之巻連衆雑感

   正月に金象さんからとの呼びかけがあって始めた歌仙で すが、その後滞りがちになったのはすべて私の責任。そん なところへ、川面にうつす君の面影/06 で救援に駆けつけてくださった一句さんの、言葉遊びのセ ンスは、中洲越えすすき野原のきたみなみ/15 で、遺憾なく発揮されました。  この句、何やら秋の河原を彷徨っているようですが、中 洲(福岡)・すすき野(札幌)・キタ、ミナミ(大阪)は サラリーマン諸氏ご愛顧の夜の繁華街。前句と続けて読む と単身赴任者の寂しくも楽しくもある生活が浮かび上がり ます。感心して、一句さんは隠して使った固有名詞の列挙 を表に出して、その辺ではさぞや多くの携帯電話の電波が 飛び交っているだろうと言ったのが、 DOCOMO AU JPhone TUKA でしたが、まじめな金象さんを動揺させてしまって、「携 帯電話真っ盛り」という、前句が携帯各社の列挙なのだか ら言わずもがなの句を生みました。この危機も一句さんの ひばりは高くミールは落ちる という機転の利いた句で、堂々巡りを脱し、以後はトント ン拍子でした。この巻を巻き終えたのは、偏に一句さんの おかげと感謝しています。      
                                      <角蛙>
観覧車第11之巻連衆雑感

  全くの歌仙音痴が少しづつ勉強を始めたのは24句のあたり。 それまでの足を引っ張ること、きわ目付けが第六句、 「発句から五句まで実に美しい滑らかな滑り出しであったのに  ここで突然恋なんぞを入れてしまい」、 続いて21句、調子に乗って「かすみを三回も続けて使ってしまい」と いくつかの初心者的傍迷惑を演じてしまいました。 その後は、皆様のご指導もあり大きな過ちはなかった?かな 13句から18句までの展開は面 白いと思います。 その中で自分で快心の出来と思っているのは、 「ひばりは高くミールは落ちる」、何度読み返しても、ここが脳味噌に残っ てしまうのですな。手前味噌が上手な一句でした。                                               <次野一句>
2001/05/18記

第35句注釈<木瓜=ぼけ>

2001/05/09記

第25句注釈 <美酒=うまさけ>
第28句注釈<maze=迷宮、迷路、困惑の意味>

さて、観覧車11巻も最後の章(名残裏六句)にさしかかりつつあります

31//折立//秋
32//2句目/雑
33//3句目/雑
34//4句目/雑
35//5句目/春+花
36//挙句//春

*この式目はあくまでも標準型の目安です

2001/04/19記

実は第16句誰かの悪戯と思い、角蛙兄に確認したところ、
「ドコモエーユージェーホーンツーカー」と15句を受けて、
付けたとの返事。
まさに、名人に定石無しで、冷や汗をかきました。

さて19句以降折り返し点を回りまして、
名残(二の折)表12句と続きます。

19//折立//春
20//2句目/雑
21//3句目/雑
22//4句目 /雑
23//5句目/冬
24//6句目/冬
25//7句目 /雑
26//8句目/恋
27//9句目/恋
28/10句目/雑
29/11句目/秋+月
30//折端//秋

*この式目はあくまでも標準型の目安です

2001/03/13記

さて、次野一句さんが座に参加して戴くことになり、中断していた観覧車11之巻が生き返りました。 また、アンチョコの歌仙定座配置表を参考にしつつ連句を巻いて行きたいと思います。
初折(一の折)裏12句
07/折立//雑→蛙
08/ニ句目/恋→象
09/三句目/恋→一句
10/四句目/夏→蛙
11/五句目/夏→象
12/六句目/雑→一句
13/七句目/秋+月
14/八句目/秋
15/九句目/秋
16/十句目/雑
17/十一目/春+花
18/折端//春
ここまでが前半18句ということになります


2001/01/05記

歌仙定座表によると
01/発句/新年
02/脇句/新年
03/第三/春
04/第四/春
05/第五/春、月
06/折端/雑詠
と、ここまでが初折(一の折)表六句ということになるそうです。


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